Japanese
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総説
トキソプラズマ症における最近の知見
New Concepts in Toxoplasmosis
鬼木 信乃夫
1
Shinobu Oniki
1
1前九州大学
pp.315-325
発行日 1977年3月15日
Published Date 1977/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410207395
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I.はじめに
臨床医が遭遇する眼トキソプラズマ症(以下トキソ)の頻度は,欧米では全ブドウ膜炎の中20〜30%とされているが,わが国でも最近本症への関心が高まるにつれ欧米なみに眼トキソ症が存在していることが実証されてきた1)。したがつて,今日わが国ではトキソ症は,Behçet病,Vogt・小柳・原田症候群とならんでブドウ膜炎の三大原因を占めるようになつた。
著者は,1972年に自験131例を中心とした研究成果を「トキソプラズマ症の臨床」として刊行し1),1974年には国内文献を主としたトキソ症の展望を紹介した2)。その折,指摘した問題点の数数——原虫の生活環,感染経路,胎盤感染の機序,流早死産との関連,先天感染の再発機序,眼トキソ症の発病様式,眼トキソ症の非典型例など——が徐々ではあるが解明されてきている。ここでは主として,1970年以降の外国文献を中心として,トキソ症の最近の知見と現状を述べていく。
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