Japanese
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特集 いたみ
いたみの脳外科的治療
Neurosurgical control of Pain
都留 美都雄
1
Mitsuo Tsuru
1
1北海道大学医学部脳神経外科
1Department of Neurosurgery, School of Medicine, Hokkaido University
pp.132-138
発行日 1967年3月25日
Published Date 1967/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904395
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I.序言
疼痛の治療上最もよい方法は,その疼痛の原因を除去することであるのは当然であるが,疼痛の原因や発生機転の不明のこと,あるいはまた,原因がわかつていても,たとえば癌の浸潤が,生命に重要な臓器に浸潤していて,それを除去することが困難であるような場合のごとくに,原因をまつたく除去できない場合もあり,そのようなときには広義の対症療法として,薬物療法,手術的療法,理学的療法などを行なうわけである。しかして本論のいたみの脳神経外科的治療としては,その対症療法中の手術的療法が該当すると思われるので,それについて述べる。脳神経外科的治療の対症となるいたみは,三叉神経痛,舌咽神経痛,中間神経痛などの原因不明の,またヘルペス後神経痛のような原因を除去できぬもの,頑固な発作性の激痛とか,脳の血管性障害による視床性の疼痛,癌その他の不治の疾患による激痛,さらに後述するような交感神経手術の対象となるような種々の疾患があるが,とくに日常応用の広いのは,(1)の本態性の神経痛,および,(2)癌による頑痛に対するものである。
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