Japanese
English
特集 いたみ
精神科領域におけるいたみの問題
The Psychiatric Aspect of Pain
吉松 和哉
1
,
大熊 輝雄
2
Kazuya Yoshimatsu
1
,
Teruo Okuma
2
1東京大学医学部精神医学教室
2鳥取大学医学部精神医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Faculty of Medicine, Tokyo University
2Department of Neuropsychiatry, School of Medicine, Tottori University
pp.139-152
発行日 1967年3月25日
Published Date 1967/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904396
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I.はじめに
われわれは日常の臨床の場で,しばしばいたみを訴える患者に遭遇する。いたみは患者のもつている訴えのなかでも,その苦痛の故に,非常に重要な位置を占めている。それはすべての臨床領域に及ぶ普遍的な症状であるが,いたみそのものはただ一つの症状であるに過ぎないから,その原因を追求し,それぞれに適応した治療方針を決定することが必要になつてくる。
ただここで注意すべきことは,いたみが発赤や腫脹,または麻痺や痙攣などと違つて,客観化されうる対象ではなく,患者の主観的体験であることである。ここにいたみという現象の特徴があるし,またその臨床のむずかしさがあり,とくに精神科領域との深い関連性が生じてくるのである。
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