Japanese
English
特集 いたみ
三叉神経痛
Trigeminal Neuralgia
若杉 文吉
1
Bunkichi Wakasugi
1
1関東逓信病院麻酔科
1Department of Anesthesiology, Kanto Teishin Hospital
pp.119-131
発行日 1967年3月25日
Published Date 1967/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904394
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I.まえがき
最近わが国においてもpain clinicがいくつかの大学病院,官公立病院に開設され,難治疼痛ことに癌末期疼痛などと真剣に取り組む気運がたかまつている。これらのclinicを訪れる患者には三叉神経痛に悩むものが必ず含まれており,しかもかなりの数にのぼつている8)。それは疼痛が激しく難治であるからにほかならない(表1)。
ところで実際診療にあたつて驚くことは,これらの患者の多くは長年にわたつてほとんど適切な治療をうけないで苦しんでいたということである。このことからも三叉神経痛に悩む患者が急激に増加したのではなくて,これまで医療を求めずに,あるいはあきらめて堪えてきた患者が積極的に治療をうけるようになつたことは容易に理解できる。もちろんこれまでも適切な治療を受け満足している患者も多いには違いないが,それらはほんの一部分で,なお激痛に悩みながら民間療法に走つている患者はかなりの数と考えられる。
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