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Guillain・Barré症候群(1916年)
平山 恵造
1
1虎ノ門病院神経科
pp.582-586
発行日 1966年10月25日
Published Date 1966/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904351
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Guillain-Barré症候群の原著が世に出てから今年はちようど半世紀目に当る。この間これに関する幾多の論文が報告されているが,遺憾ながら今日においてもなおGuillain-Barré症候群について正しい解釈と取扱いが一般に普及しているとはいえない。acute infectious polyneuritis,acute febrile polyneuritis,polyneuritis withfacial diplegiaといつた言葉がGuillain-Barré症候群の同義語として用いられ,またGuillain-Barré症候群が急性多発根神経炎のすべてを指していると解され,さらには脳脊髄液の蛋白細胞解離がGuillain-Barré症候群の唯一の特徴のごとくに考えられるなど,これらはすべて当を得た取扱いでなく,明らかに誤解によるものである。また,さらにはLandry-Guillain-Barré症候群という新しい名称が提唱されたが,これは神経学の中にただ混乱をまねくのみの不当な取扱いである。このような誤解と混同が生じた原因はひとつにはこの症候群の病因が不明であつたことにもよるが,原著に書かれていたことを熟読翫味するのに欠けていたことにもよるのではなかろうか。
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