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特集 脳のシンポジウム
主題 脳循環
選択的脳冷却法の脳外科的応用
The Use of Selective Brain Cooling in Neurological Surgery
半田 肇
1
1京都大学医学部脳神経外科
1Department of Neurosurgery, School of Medicine, Kyoto University
pp.542-547
発行日 1966年10月25日
Published Date 1966/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904345
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Ⅰ.緒言
選択的脳冷却法(selective cooling of the brainまたはselective brain cooling)は一名脳分離冷却法(differential cooling of the brain)ともいうが,これは脳のみを選択的に冷却しようとする方法である。
脳手術において出血を任意にコントロールし,bloodlessに手術する,いわゆるbloodless craniotomyないしはcraniotomy under controlled bleedingの目的で低体温下脳血流遮断が種々試みられている。この方法には全身低体温法と選択的脳低体温法とがある。このうち,前者には,全身表面冷却法と全身超低体温法とがある。全身表面冷却法では心室細動の危険から全身体温を29℃以下には下げえず,いわゆるmoderate hypothermiaであつて,この温度では脳血流遮断を行なつた場合,脳は10〜15分しかischemiaには耐ええない。そこで近年体外循環装置の発達とともに全身超低体温法による心臓停止下の開頭術が試みられている。
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