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特集 脳のシンポジウム
主題 脳と行動
辺縁系—視床下部による性ホルモンのフィードバック調節機序について
Influences of Limbic System and Hypothalamus on Feedback Mechanism of Sex Hoamones
川上 正澄
1
Masazumi Kawakami
1
1横浜市立大学医学部生理学教室
1Department of Physiology, Yokohama University School of Medicine
pp.464-479
発行日 1966年10月25日
Published Date 1966/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904325
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Ⅰ.緒言
Hohlweg,Junkmanの研究により見出されたnegative feed backの概念は,視床下部下垂体系の関係を現わすものとして,その後多くの研究者により報告され,視床下部局所の刺激実験,破壊実験,あるいはestrogenなどの植込み実験により実証されており,さらに最近では,LH releasing factor(LH-RF)のほかFSH-RF,LTH-RFなどについても,視床下部との関係において研究が進められている1)〜5)。一方,視床下部はたえずそれをとりまく周囲の脳細胞から求心性インパルスをうけており,その活動は,空間的,時間的に移り変わり,つねに変動している。
したがつて視床下部が脳諸部位の興奮をうけとめ,下垂体に対する最終共通路として果す役割を調べると同時に,この活動を規制する因子,換言すると視床下部と機能のうえで有機的なつながりをもつ脳諸部位の活動が,どのような組合わせにより,どのような方式によつて視床下部―下垂体―性腺系と相互に関係しあつているかを知ることはgonadotrophinの中枢支配機構を明らかにするばかりでなく,脳機能の解明にとつても大切であろうと思われる。
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