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特集 第9回脳のシンポジウム
主題:神経情報処理機構
指定討論:視床下部ホルモン(LH-RH)分泌の自己調節における神経系の関与について
Effects of LH-RH on single unit discharges in ARC and MPO
川上 正澄
1
,
佐久間 康夫
1
Masazumi KAWAKAMI
1
,
Yasuo SAKUMA
1
1横浜市立大学医学部第2生理学教室
1Dept. of Physiology, Yokohama City University School of Medicine
pp.1100-1101
発行日 1973年12月10日
Published Date 1973/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903580
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- Abstract 文献概要
視床下部正中底部の第3脳室側壁を形成する一帯はhypophysiotropic arca(HTA)と呼ばれ,この部位のニューロンの産生する視床下部ホルモン(放出ホルモン:RH)が下垂体門脈系を経て下垂体前葉に至り,前葉ホルモンの分泌調節を行なっていることが,その構造の決定とあいまって近年明らかになった。すなわち,この部位のニューロンにおいて神経性情報が体液性のそれに転換されるわけである。この際,われわれの研究によれば脳内で下垂体前葉ホルモン放出に関して24時間リズムの形成に強く関与している内側視索前野(MPO)から視床下部内側底部への神経回路の興奮性が発情前期に一過性に著しく高まる事実があり,RHの放出を促進する神経性情報がこの時期に集中的にHTAに送り込まれるものと思われる。HTAに存在するRHの量がMPOの電気刺激によって変化するという報告1)は,この2領域の相関を示唆している。さらに,性周期2)あるいはカテコールアミン類の投与によってもRHの存在量は変化するという。
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