Japanese
English
一般演題
肝臓酵素の活性調節と視床下部(Ⅱ)—特にその神経性機構の解析について
Role of the Hypothalamus in the Regulation of Certain Enzyme Activities in Rabbit Liver (Ⅱ)
嶋津 孝
1
,
藤木 孝知
1
,
福田 葵
1
Takashi Shimazu
1
,
Takatomo Fujimoto
1
,
Aoi Fukuda
1
1大阪大学医学部第3解剖
13rd Dept. of Anatomy, Osaka Univ. Medical School
pp.559-562
発行日 1965年9月25日
Published Date 1965/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904218
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
高等動物の代謝調節を考える上で,下等生物には見られないひとつの特徴は,脳神経系ならびに内分泌系による調節機構が存在することにあるといえる。1960年以来,私どもは最高の自律中枢である視床下部が肝臓酵素の活性調節に際して,どのような役割をはたしているかについて研究してきた1)〜7)。この研究過程において,tryptophan pyrrolase2)4)5),tyrosine transaminase6),alanine transaminase6)などの肝酵素系は,既知の内分泌ホルモンの関与を除外した後においても,視床下部の影響下に活性変動をもたらすことをみいだしてきた。さらにDAB-demethylase,aniline 4-hydroxylase,acetanilide 4-hydroxylaseのような肝酵素系はメチルコラントレンの作用を仲介として,視床下部の支配下にあることが示唆される3)。これに反し,serine dehydrase,glutamine synthetase,xanthin oxidase,ornithine carbamyltransferaseなどの諸酵素は視床下部の影響を受けにくいもののようである6)。これらの成績の一部はすでに,第5回および第6回神経化学懇談会において発表したところである。
Copyright © 1965, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.