Japanese
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特集 第8回神経化学懇話会
一般演題および討論
自律神経系と肝の糖質代謝
Autonomic Nervous System and Carbohydrate Metabolism in Liver
嶋津 孝
1
,
福田 葵
1
,
藤本 孝知
1
Takashi Shimazu
1
,
Aoi Fukuda
1
,
Takatomo Fujimoto
1
1大阪大学医学部第3解剖
1Dept. of Anatomyi Osaka Univ., Medical School
pp.261-266
発行日 1966年7月15日
Published Date 1966/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904292
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(1)家兎の視床下部交感性中枢を電気的に刺激すると,刺激開始直後に血糖値は約60%上昇し,副交感性中枢の刺激では約20%の緩徐な血糖下降が認められる。
(2)肝グリコーゲン含量は交感性中枢の刺激によつていちじるしく減少するが,副交感性中枢の刺激では変化がない。
(3)肝glycogen phosphorylaseおよびglucose-6-phosPhataseは内臓神経刺激によつて刺激開始30秒以内に,それぞれ,3倍・1.4倍の活性上昇をひき起こすが,迷走神経刺激では著変がない。ところが,内臓神経と同時に迷走神経を刺激すると両酵素に対する内臓神経刺激の効果は消失する。
(4)内臓神経刺激によるphosphorylaseおよびglucose-6-phosphatase活性の上昇は副腎または膵臓を摘除した動物においても同様に認められる。
(5)アドレナリン注射はphosphorylase活性を上昇させるが,glucose-6-phosphatase活性に対しては影響を与えない。また,phosphorylaseに対するアドレナリンの効果は内臓神経刺激の場合よりも時間的にやや遅れて発現する。
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