Japanese
English
一般演題
C14-グルコースを用いたネコ脳のアミノ酸タンパク代謝の研究
Metabolism of Amino Acid and Protein in Cat Brain by C14-glucose
大森 文太郎
1
,
大月 三郎
1
Fumitaro Omori
1
,
Saburo Otsuki
1
1岡山大学医学部神経精神科
1Dept. of Neuropsychiatry, Okayama Univ. School of Med.
pp.553-558
発行日 1965年9月25日
Published Date 1965/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904217
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はじめに
血中グルコースは,脳に摂取されてエネルギー源となる主要な物質であるのみならず,その代謝物質が脳の内在物質の生合成に利用されていることは,in vivoの実験においてU-C14-グルコースの炭素分子が,速やかに脳のアミノ酸,タンパク,リピドなどに移行するというWinzlerら1),Geigerら2),Vrbaら3),大月ら4),Cremerら5)の報告によつて明らかである。C14-グルコースを動物に投与する場合,単一投与では血中放射能は,急速に上昇した後,速やかに減少する。一定の実験時間内において,組織の内在物質の放射能はある物質では速やかに増加滅少し,血中放射能と似た増加・減少曲線を示すものもあり,またある物質では徐々に増加曲線のみを示すものもある。したがつてある特定の実験時間において,各内在物質の放射活性を比較した場合には,徐々に放射能が増加した物質のほうが速やかに増加・減少した物質よりも代謝回転が速いと考え誤まる危険が存在する。特にタンパク質のような比較的代謝回転の遅い物質を問題とする場合にはこの誤りをおかしやすい。この問題を除外するため,われわれはネコの動脈内にC14-グルコースを点滴注入することによつて,一定時間脳循環血中の放射能を一定に保つという実験条件を採用した。
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