Japanese
English
一般演題
マウスの部分脳におけるNADの確認とHydrazine 2HClの影響
NAD and Influence of Hydrazine 2HCl on the Brain of Mouse
斉藤 章二
1
,
望月 安雄
1
,
徳永 友喜子
1
,
加倉井 祥子
1
,
小島 勝彌
1
Shoji Saito
1
,
Yasuo Mochizuki
1
,
Yukiko Tokunaga
1
,
Shoko Kakurai
1
,
Katsuya Kojima
1
1慶応義塾大学医学部薬理
1Dept. of Pharmacology, Keio Univ. Medical School
pp.563-567
発行日 1965年9月25日
Published Date 1965/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904219
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はじめに
nicotinicamide adenine dinucleotide(NAD)は第1図に示すような構造をもち,生体内においてアルコールまたはアルデヒド脱水素酵素の補酵素として存し,水素伝達体としての役割をもつている(第1図)。ヒトの赤血球7),マウスの肝,全脳,腎,脾,筋肉および睾丸6),ラットの腎,脾,筋肉,肝,副腎,横隔膜,心筋,乳腺,全脳,胸腺,脺および精腺またはウサギおよびモルモットの卵巣,脳,血液4)などについてNADが同定されている。従つてこの補酵素は脳に特異的に存在するものではない。しかしながら,脳において特異とみられるGABAとNADとは密接な関係が保たれている。すなわちGABAは,ビタミンB6を補酵素としてトランスアミネートされsuccinic semialdehydeになり,さらにNADによつてsuccinic acidに酸化されることは周知の事実である。最近hydrazine 2HCl(以下H. と略す)の一定量をマウスの腹腔内に注射すれば,脳のGABAレベルの増加とともに,脳のNADレベルの著明な滅少をきたなことがわれわれによつて発見された。
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