Japanese
English
一般演題
Near-freezing methodによる脳部位別アセチルコリン定量法
The Determination of Ach in Brain Discrete Parts by the Near Freezing Method
高橋 良
1
Ryo Fakahashi
1
1東京医科歯科大学神経精神科
1Dept. of Neuropsychiatry, Tokyo Medical and Dental University
pp.516-520
発行日 1965年9月25日
Published Date 1965/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904211
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はじめに
中枢神経系(CNS)各領野のアセチルコリン(Ach)量については今日まで若干の報告があるが,Achの急速な代謝のためにそれらの値の妥当性については少なからず疑問がある。Ach定量のための脳標品の取りだし方に問題があるからである。それゆえCNSにおけるAchのneurotransmitter説はもつぱらcholinesterase(ChE)とcholineacetylaseのCNS内分布に基づいて説かれてきており,この説を支持するAch直接定量の実験も一,二の報告1)2)をのぞき,全脳Ach量に関するものであつた。また最近Mitchellにより報告された脳Achの重要性を示す実験6)も脳皮質刺激により髄液中に遊出されたAchの定量に関すうものであつた。今日in situの脳Achの固定には液体空気凍結が最も確実な方法とされている。痙攣時の脳Achの減少は特別な場合,すなわち麻酔下かep mausにおいてAch量があらかじめ高い場合4)5)以外は凍結法によつてのみ明瞭に証明される。しかし凍結法の欠点は脳部位別定量を必要とする場合にいちじるしい技術的困難をもたらすことである。凍結法で脳部位別Achを定量した報告にはCrossland andMerrick2)のものがあるが,彼ら自身その技術的困難さを認めており,しかも測定しえたのはラット脳の四大部分にすぎない。
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