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特集 第7回神経化学懇話会
シンポジウムⅡ/神経系病態の生化学
ミオクロヌス小体の超微細構造とミオクロヌスてんかんに関する臨床生化学的研究
Electronmicroscopic Study of Inclusion Body and the Clinical Biochemical Study of Myoclonic Epilepsy
難波 益之
1
Masuyuki Namba
1
1山口大学医学部精神神経科
1Department of Psychiatric and Neurologic, Faculty of Medicine, Yamaguchi University
pp.494-500
発行日 1965年9月25日
Published Date 1965/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904205
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緒言
中枢神経細胞の封入体疾患として,Weiman,Bielschowsky,LewyおよびSpielmeyerが記載した封入体が知られている。またHallervorden-Spatz病,Pick病,granurovacuolar degeneratlon,tubelose sclerosisあるいは中枢神経組織の遺伝性代謝異常が疑われている3)。Tay-Sachs病,Niemann-Pick病,Gaucher病,van Gierke病,Gargoilism,およびmetachromatic leucodystrophyの神経細胞体内にもそれぞれ細胞封入体が発見されている。しかしここに報告する症例は上記のいずれにも属さない特殊な疾患である。
この症例の臨床症状は,これまで進行性家族性ミオクロヌスてんかんと呼ばれたものにほぼ一致する。その中枢神経組織内には,1911年,Lafora8)らによつて初めて発見され,のちにOstertag19)によりミオクロヌス小体と名ずけられた特有な小体が存在する。このミオクロヌス小体は,ほとんど疾病特異的といつてよいほどの特徴ある形態を持つているが,小体の組織化学とその発生機転については今日まだほとんどわかっていないようである。
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