Japanese
English
特集 第7回神経化学懇話会
シンポジウムⅡ/神経系病態の生化学
各種痙攣パターンの局所神経化学的研究
Regional Neurochemical Study of Convulsive Seizures
融 道男
1
,
高見沢 ミサ
1
,
仮屋 哲彦
1
,
小林 暉佳
1
,
小林 健一
1
,
高橋 良
1
Michio Toru
1
,
Missa Takamizawa
1
,
Tetsuhiko Kariya
1
,
Teruyoshi Kobayashi
1
,
Ken-ichi Kobayashi
1
,
Ryo Takahashi
1
1東京医科歯科大学精神科
1Department of Neuropsychiatry, School of Medicine, Tokyo Medical and Dental University
pp.489-493
発行日 1965年9月25日
Published Date 1965/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904204
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
緒論
従来われわれは痙攣に関する一連の神経化学的研究を行なつてきたが,その中で痙攣におけるanoxiaの関与の重要性を考慮して,無酸素条件を用いた2,3の実験をすでに報告した9)10)14)15)。
その中でdd系マウスを窒素ガスによる急性のanoxicanoxiaの条件下におき,その際の動物の行動変化を観察し,その各時期の神経化学的背景について研究した時,われわれは次のような事実を見出した。すなわち,ほぼ完全に99%窒素ガスで置換された容器内にマウスを移し8秒間のanoxiaの負荷ののち大気中にとり出した時,6秒後に14%が明らかに痙攣とよびうる全身性の不随意運動をひきおこした。このanoxia後痙攣は強直様であり,仲展性の要素を欠き,1〜3秒間持続し,ひき続いて両側後肢に同期した間代性痙攣様運動がみられるものであつた。この時の脳(小脳を除く中脳以上)のacetylcholine(AG-h)およびphosphocreatine(PCr)の値は第1図に示すごとくであった。
Copyright © 1965, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.