Japanese
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研究と報告
抗精神病剤の反復注射の関与が疑われる発熱—昏迷様状態について
Pyrexia and Stupor-like States Possibly Induced by the Repeated Parenteral Antipsychotic Drugs
融 道男
1
,
渡部 修三
1
,
小島 卓也
1
,
渋谷 治男
1
,
中河原 通夫
1
,
仮屋 哲彦
1
,
島薗 安雄
1
Michio Toru
1
,
Shuzo Watanabe
1
,
Takuya Kojima
1
,
Haruo Shibuya
1
,
Michio Nakagawara
1
,
Tetsuhiko Kariya
1
,
Yasuo Shimazono
1
1東京医科歯科大学神経精神医学教室
1Dept. of Neuropsychiatry, Tokyo Medical and Dental University
pp.527-535
発行日 1978年5月15日
Published Date 1978/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202764
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I.はじめに
精神病治療薬剤の発展によってもなお精神運動興奮を続ける精神病患者は多数あり,われわれ臨床医はその治療に苦慮している。これらの患者に対しては電気ショック療法を用いない場合,一般には抗精神病剤を経口的に大量投与するか,非経口的に反復投与したりする方法が用いられるが,最近,抗精神病剤の大量,長期間の使用によりさまざまな副作用が生ずることに注意が喚起されてきている。
われわれは向精神薬の使用(内服,注射)が関与して重篤な経過をとったと思われる症例を各地の病院より集め,この資料をもとに今後の臨床において重篤な副作用の発生を予防する手段を講じたいと考えた。その結果,集められた資料の一部に抗精神病剤の非経口剤(筋肉内注射)の反復投与が共通に関与していると思われる一群があることに気づいたので,これらの症例を分析し,いくつかの点について考察を試みたい。
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