特集Ⅱ ミオパチーの疫学と臨床
多発性筋炎ならびに近接疾患の診断および病因について
吉川 政己
1
,
茂在 敏司
2
,
平井 俊策
1
1東京大学医学部老人科
2東京大学医学部中尾内科
pp.359-365
発行日 1965年7月25日
Published Date 1965/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904184
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多発性筋炎の問題は第2回日本臨床神経学会で,東大中尾内科の症例を豊倉博士がまとめて報告されました。また,第3回総会で黒岩教授が.膠原病による神経筋疾患としてまとめてお話しされております。今回は多少重複いたしますが,その後の追加例も加え,冲中,中尾内科教室の症例をまとめて報告してみたいと存じます。また,重症筋無力症における筋病変についても茂在博士らとともに自験例を整理してみました。ご存じのように,現在の神経病学の診断はその臨床像ないし,臨床病理像からchnical entityないしsyndromeとして把握される場合が多いのですが,一方では当然,病因的追求によつてdisease entityに一歩でも早く近づきたいという努力もなされている段階であると思います。
ここでは冲中,中尾内科入院例のうち,多発性筋炎9例を中心として,皮膚筋炎11例,ほかの膠原病に属するもの10数例,重症筋無力症で筋萎縮を伴うもの24例につき,その臨床像,検査所見特に筋組織所見(生検ならびに剖検)とを対比検討し,多発性筋炎の診断ならびにその近縁疾患との関連につき考察を加えてみました。
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