特集Ⅱ ミオパチーの疫学と臨床
多発性筋炎の筋生検所見
祖父江 逸郎
1
,
加藤 洋
1
,
上村 紀元
1
,
永田 康夫
1
1名古屋大学医学部第一内科
pp.368-375
発行日 1965年7月25日
Published Date 1965/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904185
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ただいまいろんな点について論議されましたが,多発性筋炎の筋生検には大変むずかしい問題がたくさんあります。われわれも臨床像と,生検所見の問題という点につきましては,たしか第3回日本臨床神経学会の時にも申し上げたことがありますが,その後,やはりなにがしか筋生検の実際上の意義というものを臨床との対比の上においてすこし,具体的にとらえてみたいと考えておりました。このような意味からいろいろのミオパチーについて筋生検症例を集めておりますが,何分にもまだあまり多くありませんので,今日は臨床上,一応多発性筋炎と考えられる症例で,われわれが筋生検を行ない得たもののみにつきまして,実際どういうふうになつているかということをまとめてみましたので,それをお話ししたいと思います。
ミオパチーの筋生検所見については御承知のようにGreenfieldが非常にきれいなアトラスを書いておりますが,あの中でも多発性筋炎の問題はあまり触れておりません。これまでにも十分はつきりした知見がないようで,今後もなおいろんな問題が残されているようです。さきほど申しましたように,本日は症例の具体的なことは時間の関係上省略させていただきます。
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