Japanese
English
特集 第6回神経化学懇話会
シンポジウムII/神経化学と行動薬理
長期アルコール飲用ラットの脳皮質呼吸におよぼすエタノールおよびアセトアルデヒドの影響
Effects of Alcohol and Acetaldehyde on the Respiration of Cercbral Tissues from Alcoholhabituated Rats
石井 厚
1
,
相沢 宏邦
1
,
三塚 浩三
1
,
柏倉 浩洋
1
,
赤坂 正
2
Atsushi Ishii
1
,
Hirokuni Aizawa
1
,
Kozo Mitsutsuka
1
,
Koyo Kashiwakura
1
,
Tadashi Akasaka
2
1東北大学精神医学教室
2有恒会日和山病院
1Dept. of Neuropsychiatry, Tohoku University School of Medicine
2Hiyoriyama mental hospital, Ishinomaki City
pp.503-508
発行日 1964年7月25日
Published Date 1964/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904102
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Barbiturate,Ethanol,Etherなど,抑制剤,麻酔剤は,生体の諸組織,ことに脳組織の呼吸を抑制することが知られており,呼吸抑制に要する濃度は麻酔作用として働く濃度のほぼ5倍であるといわれている。in vitroにおける分離脳組織の呼吸抑制について,McIlwain1)は刺激代謝系では,より敏感であるといい,Quastel2)はK刺激代謝系においてLuminal,Pentothal,Procain,Ethanolを用いてK効果の抑制を見ている。Kulonen3),Fischer4),Quastel5)6)らは人体で見出されるほどの比較的低濃度のEthanol,Acetaldehydeが刺激呼吸を抑制し,同時にこの両物質の呼吸抑制の仕方に違いのあることを指摘している。このような実験的事実とは別に,アルコールの慢性摂取にともないアルコール習慣性,耐性が生じ,また各種の禁断症状の現われることは臨床的に広く知られている。しかし,これらの問題に閲する実験研究は極めて少なく,いまだその身体的基盤もあきらかにされていない。以上のことから,我われはEthanol,Acetaldehydeが脳皮質刺激呼吸にどのような影響をおよぼすか,また慢性アルコール飲用動物とアルコール禁断動物とではその脳皮質呼吸におよぼすEthanol,Acetaldehydeの影響がどのようにことなるかを観察した。
Copyright © 1964, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.