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特集 第5回神経化学懇話会
一般演題
13.β-フェニールエチルアミンの哺乳動物体内における生成ならびにその中枢作用
Formation of β-phenylethylamine in mammals and its central action
中嶋 照夫
1
,
柿本 泰男
1
,
清水 宏俊
1
,
佐野 勇
1
Teruo Nakajima
1
1大阪大学医学部精神神経科
1Department of Psychoneurology Osaka University Medical School
pp.867-872
発行日 1963年8月25日
Published Date 1963/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904079
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近年多数の生体内アミンが哺乳動物組織中に発見され,その生理学的意義が明らかにされつつある、ことにセロトニンおよびノルアドレナリンが哺乳動物の脳に存在することが証明され,その脳内分布ならびに代謝が詳細に研究され,極めて広範囲の神経生理的現象が,これらのアミンの中枢作用として解釈された。しかし1958年Carlsson1)はドーパミンを,1959年HessおよびUdenfriend2)はトリプタミンを,1962年柿本およびArmstrong3)はオクトパミンおよびp-チラミンの脳組織での存在または生成を報告した。したがつて従来セロトニンおよびノルアドレナリンの作用としてのみ解釈された神経生理現象は,これらのアミンおよび今後の発見にまつ可能性のある作用物質をふくめて解釈されるべきであろう。著者らはさらにβ-フェニールエチルアミンの哺乳動物体内での生成を確認したので以下に報告する。
β-フェニールエチルアミン(Ph EtNH2)はアンフェタミン,メスカリン,カテコールアミンなどの基本的化学構造をもち,古くから薬理学的実験の対象にとりあげられたが,このアミンが哺乳動物組織中に存在することはいまだ知られていなかつた。
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