Japanese
English
短報
尿中β-フェニールエチルアミン排泄量の増加を示した月経精神病の1例
A Case of Menstruation Psychosis with Increased Excretion of Urinary β-Phenylethylamine
中河原 通夫
1
,
渡辺 明子
1
,
仮屋 哲彦
1
Michio Nakagawara
1
,
Akiko Watanabe
1
,
Tetsuhiko Kariya
1
1東京医科歯科大学神経精神医学教室
1Dept. of Neuropsychiatry, Tokyo Medical and Dental University
pp.202-203
発行日 1979年2月15日
Published Date 1979/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202899
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I.はじめに
β-phenylethylamine(以下PEAと略す)は,脳内に微量存在しているところからmicroamineと呼ばれている生体amineの一つで,catecholamineに影響を与え,neuromodulatorとして作用することが知られている1)。最近,うつ病患者の尿中でPEA排泄量の減少が2,3),また精神分裂病患者の尿中でPEA排泄量の増加が報告され2),精神障害とPEAとの関係が注目されるようになった。さらにPEAの構造式がamphetamineと類似しており,一方,慢性amphetamine中毒により幻覚妄想状態の出現がみられるところから,PEAと幻覚妄想状態との関連についても興味がもたれている。そこで,われわれは,月経数日前より月経直後まで,不眠,被害妄想を示す月経精神病患者について,尿中24時間PEAおよびdopamine排泄量を測定し,精神症状との関連について検討を行なった。
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