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特集 第5回神経化学懇話会
シンポジウム・2
脳細胞成分(Subcellular units)の生化学
5.脳Subcellular Unitsの物質分布について
Biochemical studies on subcellular units of guinea pig brain cortex
植村 慶一
1
,
塚田 裕三
1
,
飯田 慈子
2
Keiichi Uemura
1
,
Yasuzo Tsukada
1
,
Yoshiko Iida
2
1東邦大学医学部第二生理学教室
2東京大学理学部生物化学教室
1Dept. of Physiology, School of Medicine, Toho Univ. Tokyo
pp.763-771
発行日 1963年8月25日
Published Date 1963/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904061
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動物細胞のsubcellular unitsの分画法は電子顕微鏡技術の進歩と生化学的手段(テフロンホモゲナィザー,高速遠心装置,重層遠心法など)の改善によつて急速に発展してきた。脳組織においてもBrody & Bain(1952)1)以来,種々の方法が考えられてきたが,脳細胞の不均一性,従つてsubcellular unitsの不均一性のため純度のよい分画を得ることが困難であつた。最近になつてde Robertisら2)およびWhittakerら3)は重層遠心法を応用してnerve ending fractionの分離に成功したが,このことは脳組織における機能と形態の関係を生化学的につかむ手がかりを与えるものと思われる。
また脳組織に特に多量に遊離の形で存在し,機能との関係が注目されているいくつかのアミノ酸(グルタミン酸,アスパラギン酸,γ-アミノ酪酸,グルタミン,Nアセチルアスパラギン酸等)の代謝をC14およびN15のアイソトープを用いて調べた研究4)から我々はこれらの代謝が細胞内のある代謝局在で活溌に行なわれている可能性に注目し,この問題を更にsubcellular levelで追求することを計画した。
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