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特集 第5回神経化学懇話会
シンポジウム・2
脳細胞成分(Subcellular units)の生化学
4.脳のリボゾームの調整と検定について
Preparation of Brain Ribosome
山上 栄
1
Sakae Yamagami
1
1大阪市立大学医学部精神神経科学教室
1Dept. of Neuropsychiatry, School of Medicine, Osaka city Univ.
pp.750-757
発行日 1963年8月25日
Published Date 1963/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904059
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はじめに
細胞内の蛋白質生合成において,ミクロゾームのリボゾーム粒子(RN-P)が重要な役割を果すことが認められ,種々の細胞あるいは,大腸菌12),酵母9),あるいは肝15)16)20)22)26)26)より調製されている。
現在までに調製されたリボゾームの組成は程度の差はあるが,生化学的,物理化学的性質が類似していることが示されている。RNAは50%前後,蛋白もほぼ等量で,主成分は70S−80Sの沈降定数を有し,MgまたはCaの2価のカチオンによつて安定化されること,蛋白質部分にアミノ酸の取りこみ能を認めることなどの諸性質が認められた。調製法はディタージエント処理をほどこしたものに更に105,000×9,120分の遠心で分画する方法が用いられる。J. Chauvaue et al10)は,肝リボゾームをディタージエント処理をせずに密度差遠心法により分離することに成功した。神経細胞のsubcellular unitの核酸分布はBrodyet Bain3)によって研究された。分画遠心法はPalladin et Kirsenko18),Biran et Bartley4),Beilamy7),Furst et al13)などによりそれぞれの研究目的に沿つて発展してきた。
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