Japanese
English
一般演題
10 脳の核酸の細胞内分布とその代謝について
Intracellular Distribution of Nucleic Acids in Guinea Pig Brain Cortex and the Incorporation of P32 in it
山上 栄
1
Sakae Yamagami
1
1大阪市立大学医学部精神科
1Department of Neuropsychiatry, Osaka City University Medical School
pp.615-623
発行日 1964年7月25日
Published Date 1964/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904123
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I.はじめに
脳の核酸の細胞内分布とその存在様式については,種々のcell fractionation technic1)3)4)10)15)25)29)30)31)を用いた研究が行なわれてきたが,各細胞分画の核酸量は,研究者によりかなりまちまちで一定の結論を導くにはいたつていない。最近Mandel et al.15)をはじめ2,3の研究者10)25)30)は,この点に考察を加え,出来るだけ純粋な細胞分画を分離し,その核酸の分布を明らかにしようと努めた。その結果,核,ミエリン,mitochondria,microsomeおよびその上清分画などの核酸量がかなり明らかにされてきた。しかしmicrosomeより生ずる顆粒成分(microsomal subfraction)については,Hanzo et al12)およびWherrett et al.33)らがわずかにsucrose density gradientを用いて,そのRNAの分布を検討している以外は充分な研究がなされていない。またmicrosomeから調製されるribosomeについては,細胞内の蛋白質合成の場を提供するという意味から少数の研究者2)5)19)29)32)によって検討されたがribosomeの精製28)29)32)やそのRNAの代謝29)30)31)についてはほとんど研究されていない。
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