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特集 脳血管性障害・III
心疾患による脳塞栓症
Cerebral Embolism of Cardiac Origin
上田 英雄
1
,
高畠 豊
1
1東大上田内科
pp.752-757
発行日 1961年12月25日
Published Date 1961/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903952
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心臓疾患患者にみられる神経症状としては脳塞栓・脳血栓・脳出血・脳腫瘍・神経症および精神障害などがあげられる。近年わが国においても諸外国と同じく死因として脳血管障害が第1位をしめるにいたつたことは周知のことである。この中脳出血による死亡が86%程度であるが,脳塞栓・脳血栓の占める割合が徐々に増加しつつある。さらに心疾患性脳塞栓症に関しては,抗血液凝固薬・心臓外科,脳血管造影法などの治療面および診断面の著しい発達をみるにいたり,このような時にあたつて心疾患性脳塞栓症に注意は新らたに向けられるべきであろう。
さきにわれわれは東大佐々・美甘・上田内科の過去18年余に入院した1029例の心疾患患者のうち,脳塞栓の既往のあるものおよび入院中に脳塞栓をおこしたものの56例について臨床的所見,経過およびその一部の病理所見について検討を加えた1),2)。さらにここでは一般の心疾患性脳塞栓症の原因・症状・治療および予防について述べたい。
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