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特集 精神薬理
動物実験による精神薬理の研究
Psychopharmacological studies with animal experiments
田中 潔
1
Kiyoshi Tanaka
1
1鳥取大学医学部薬理学教室
1Dept. of Pharmacology, Tottori University School of Medicine
pp.692-701
発行日 1961年12月25日
Published Date 1961/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903946
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精神薬理は本来人間の精神状態を変化させる薬物の作用を研究するものであるから,研究対象は人間におくのが本筋である。動物に精神があるか疑わしいという人もあつて,動物の行動変化で薬の作用をみるのは精神薬理でなくて行動薬理学(behavioral pharmacology)というべきだとの説もある位である(Bradley)。今回のシンポジアム参加者中私だけが基礎医学者なので必然的に動物実験を主にせねばならぬが,他の臨床家の研究も動物相手のものが多いのは,向精神薬の作用機転の分析や,新薬発見のためのscreeningの方法として動物実験がぜひ必要なことによるものであろう。動物実験の結果をすぐ人間の精神状態にあてはめるという早合点さえしなければ,動物実験も精神薬理の研究に有用で重要な手段になり得ると思われる。以下われわれが行なつている動物実験中,精神薬理に関係のある5項目について述べることにする。
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