Japanese
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特集 脳血管性障害・I
実験的脳血管性障害—特に脳出血の発生機序について
Experimental Studies on Cerebral Vascular Lesion
加瀬 正夫
1
,
小野 順一
1
,
安水 君代
1
,
吉益 暢夫
1
Masao Kase
1
,
Junichi Ono
1
,
Kimiyo Yasumizu
1
,
Nobuo Yoshimatu
1
1関東逓信病院内科
1Department of Internal Medicine, Kanto Teishin Hospital
pp.358-370
発行日 1961年5月25日
Published Date 1961/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903920
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脳出血の発生機序については古くから多くの論争があるが,論争の主点は専ら組織学的発生機序におかれ,機能的の面からみた発生機序については全く仮説の域をいでない。特に臨床家が古くから注目する血管痙攣についてはその存在を否定するものもあり,さらに卒中発作におけるその役割についてはWestphal1)の仮説を単に踏襲しているのみで,どこに血管痙攣がおきてどのようにしてどこに出血するかというような点については誰もこれを実証しようと試みたものはない。そこで私どもはまず血管痙攣の存否をたしかめ,かつ上述のような意味で血管痙攣の意義を明らかにしたいと考えて実験を行つた。その結果は小野2),安水3)によりそれぞれ原著として発表せられているが,ここではこれらの成績ならびにその後の成績をあわせて総括的に私どもの見解をのべることにする。
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