Japanese
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特集 脳血管性障害・I
血栓の系統発生学的考察と新しい型の血栓予防剤の発見
Phylogenetic Consideration on Thrombosis and Discovery of "Antithrombotic Substance with no Inhibiting Effect on Extravascular Clotting"
島本 多喜雄
1
Takio Shimamoto
1
1国立東京医科歯科大学島本内科教室
1Dept. of Internal Medicine, Tokyo Medical and Dental University
pp.371-378
発行日 1961年5月25日
Published Date 1961/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903921
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I.緒言
出血から生命を守るためには血栓をつくつてまずその血液が破壊された血管の傷口より失われることを防ぐ必要がある。即ち,血栓形成ということは人たると動物たるとを問わず命を守る重要な生理機転である。
しかし,これが血管の内腔にむやみに出来るということになると各種の血栓症という病態が成立する。手術後の血栓それによる重要臓器への塞栓とくに動脈硬化症におこり易いこの血栓・冠状動脈血栓・脳血栓は今日人類の最大の殺人者となつている事実はまた皮肉な出来ごとでもある。
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