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I.はしがき
高等動物の体の中で最も大きな部分を占めていると思われる筋は収縮するという特徴のゆえに古来より多くの研究者の注目をあび,研究対象とされてきた。発生学の分野においても例外でなく筋は発生学者の研究対象となり,主として形態学,実験形態学的な側面から,その発生過程における研究はかなりのところまでわかってきている1,2)。
本誌の他の綜説(1088-1097頁参照)でも明らかにされているように筋細胞になることが決定された細胞は,分裂を繰り返し,集合する。やがてそのおのおのの細胞はある方向に長くなり(elongation),双極性の細胞(bipolar cell)となる。この段階になると周囲のより扁平な多角形の細胞(polygonal cell)とははっきり区別ができるようになる。さらにこの単核筋細胞はお互いに融合して多核の筋細胞となり,その中に筋原線維が出現し筋細胞へと成長してゆく。
Recent progress in the investigation of the quantitative changes of the DNA, RNAs and proteins and the changes of properties of structural proteins of muscle, especially myosin, during the development of embryonic muscle cells are reviewed. The control mechanism of these change in discussed. The changes of these embryonic macromolecules in the cultured muscle cells are also discussed. The differentiation process of proteins in cultured muscle cells is distinguishable from that in situ in several points.
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