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細胞を体外に取り出して培養する試みは古くから行なわれていたが,1907年のHarrison1)が神経組織を用いて行なったのがその始まりであるとされる。細胞を体外に取り出して生かしておくだけのことを培養とは普通いわない。たとえばカエルの骨格筋が,収縮する能力を保っていることを目印にとって生かしておくことだけに限って考えれば,切り出してから1日くらいは容易に可能であるけれども,これを培養とはいわない。Harrisonの場合は脊髄を切り出して凝固したlymphの上に置いたところ細胞が伸び出してaxonを作り始めたという事実を認めたことが培養に成功したといわれる理由である。たまたまこの場合は体外で分裂を行なう可能性の低い神経組織であったから増殖ということは関心の中心にならなかった。しかし引き続いて行なわれた種々の細胞についていえば,当然増殖という問題は重大な関心事であった。いいかえれば,初期の細胞培養の歴史は,いかにしてin vitroで細胞を生やし増殖させるかという技術を求めての努力の歴史であったといっても過言ではない2,3)。
At the advent of cell culture, the most important problem was how to make cells grow in vitro. Thus the main concern was forcused to discover suitable culture media. On the course of these studies, embryo extract has been introduced as one of the important components of the medium. Studies followed to obtain the active principle which was contained in the extract, and which promoted the growth of fibroblasts.
The main subject of the present review is about physiological natures of a factor promoting chicken muscle cell growth, which is on the line of the classical studies.
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