Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
悪性高体温症は,ハロセンやサクシニルコリンを使用する全身麻酔の重篤なる副作用である。主症候は40℃を越す過高熱であるが,その76%の症例は,筋拘縮を呈している。本症の病因には,少なくとも筋拘縮を呈する症例では,骨格筋の筋小胞体膜の異常が関与しているというのが,大方の説である。われわれは,単一筋線維のskinned fiber標本(筋細胞膜を剥離した筋線維)を使用して,ハロセンの筋小胞体に対する作用を分析した。本稿では,その結果を報告するとともに,1例の本症患者の生検筋での分析結果をもあわせて記述する予定である。
悪性高体温症は,臨床的に神経・筋系統の異常を呈することがあり,他種の神経筋疾患との関連が注目されている。この分野に関しては,別の総説を参照いただければ幸いである1)。
Halothane is one of causative agents of malig-nant hyperpyrexia. The effect of halothane upon calcium (Ca) transport in sarcoplasmic reticulum was analyzed in "a single skinned fiber" prepara-tion.
Skinned fibers were prepared from skeletal muscle of guinea pig, human hyperpyrexic patient and control subjects.
Halothane induced a release of Ca from sarco-plasmic reticulum. This effect of halothane was inhibited by procaine.
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.