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ヒトの骨格筋が加齢に伴い種々の程度の萎縮性病変を示すことについては最近一部の研究者の注目を惹くところとなった1,2)。ラットではかなり以前からこの事実が知られており3),最近ではGutmannらによる研究4,5)がよく知られている。この問題はなかなか重要であるにもかかわらず,それに相応しいだけの関心を人びとの間に惹き起し得ないでいるには事情があると思われる。それというのも骨格筋が単に個々の筋としてmassiveな器官であるのみならず,筋系全体としては全身にわたって広汎な分布を示すので,これを全体として系統的に検索して,この器官系病変の全貌を明らかにするには多大の時間と労力とを必要とする。一方で現在の筋病理学研究の主流は特定の骨格筋の,しかもその小部分の生検材料を基礎にしているという試料採取上の問題がある。ここに筋病理学研究に固有の方法上の困難と,それゆえに克服さるべぎ一つの課題が存する。研究対象を「加齢性」病変というやや曖昧なものにとらずとも,たとえば進行性筋ジストロフィー症の場合でも,この病機が罹患個体の骨格筋系を全体として眺めた時にどのように始まり,進行し,広がりを示して行くか,それはまた一方で末梢および中枢神経系の態様と果たしてどのような関りを持つか,また持たないか,全身的に系統的に精査検索された症例ははなはだ稀である6)。
A brief summary of a long-range experimental study is described on the nature of age-related changes of murine skeletal musculature. Light microscopic histopathology showed atrophy whichis slowly progressive and neurogenic in pattern, predominantly in the caudal half of the animal's bodies. The involvement of individual muscles is rather uneven and often showed mosaic pattern as regards the degree of the atrophy.
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