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軸索ディストロフィーは,シナプス前軸索終末に初発することの多い病的機転であって,しかもヒトを含めて各種哺乳類動物の延髄後索核,なかんずく薄束核に好発する。とくに延髄薄束核の軸索ディストロフィーは加齢に伴なう現象としても出現する。薄束核と楔状核はともに脊髄神経節にある第一次知覚ニューロンの仲継核として同列に位置する神経核であるけれども加齢に伴なう軸索ディストロフィーは不思議なことに楔状核では薄束核に比べて程度がきわめて軽い(Fujisawa,1967)。ところで軸索ディストロフィーとして私どもが普段注日するのは軸索終末部の巨大腫脹,すなわちいわゆるspheroidsである。しかしながらspheroids形成は軸索ディストロフィーの際にニューロピルに生起しているはたして唯一の変化なのであろうか。巨大なspheroidsの蔭に隠されて見逃されているような,より曖昧なものだが,しかし同じように重要な変化が同時に並行して進んでいるのではないか,といった疑問を私はかねがね懐いていた。この点について私どもは種々の月齢に達したラットの延髄後索核を材料にそのニューロピルの定量的検索を行なって見たところ,はたして薄束核と楔状核との間にはspheroidsの出方の違い以外にもいくつかの重要な違いのあることがわかった(Fujisawa & Shiraki,1978)。
Abstract
Seven Wistar-Imamichi male rats were reared from the weanling and their posterior column nuclei were studied electron-microscopically at various ages ranging from 100 to 749 days of age. The following are the conclusions:
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