高齢腎不全患者のバスキュラーアクセスを科学する
動脈および静脈の加齢による病理学的変化
杉岡 憲一
1
,
仲川 将志
,
大澤 政彦
,
上田 真喜子
1大阪市立大学 大学院医学研究科循環器内科学
キーワード:
加齢
,
冠状動脈硬化症
,
頸動脈疾患
,
血管内皮
,
静脈瘤
,
動脈硬化症
,
細胞老化
,
静脈血栓症
,
動脈硬化プラーク
Keyword:
Arteriosclerosis
,
Aging
,
Carotid Artery Diseases
,
Coronary Artery Disease
,
Endothelium, Vascular
,
Varicose Veins
,
Cell Aging
,
Venous Thrombosis
,
Plaque, Atherosclerotic
pp.775-785
発行日 2016年6月20日
Published Date 2016/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2016273582
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<Point>動脈硬化の進展には、内皮機能障害、プラーク炎症や酸化ストレスが関与する。急性冠症候群の発症には、プラークによる内腔狭小以外に、プラーク破裂やびらんを生じる不安定プラークの存在が関係している。冠動脈のプラーク不安定性には、マクロファージ等の慢性炎症細胞に加え、急性炎症細胞である好中球も関与する。ミエロペルオキシダーゼ(MPO)は強力な酸化酵素で、LDLの酸化を促進し、プラークの不安定化に寄与する。頸動脈のプラークにおいては、プラーク炎症とともに、プラーク内出血も高率に認められる。静脈の加齢性変化では、血管弾力性の低下や血管拡張から血栓症や瘤状変化をきたす。
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