Japanese
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特集 平衡機能と姿勢反射
アキネジア—純粋アキネジアの2症例を中心として
Akinesia
今井 壽正
1
,
楢林 博太郎
1
Hisamasa IMAI
1
,
Hirotaro NARABAYASHI
1
1順天堂大学医学部脳神経内科
1Dept. of Neurology, Juntendo Univ. School of Medicine
pp.787-794
発行日 1974年8月10日
Published Date 1974/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903660
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I.はじめに
筋強剛,振戦とともにアキネジアakinesiaは,パーキンソニズムの運動症状の3主徴として確立されている。このうち,前2者は症候論的に明瞭であり,すなわち客観的に,ないし定量的に把握することが比較的容易であるが,アキネジアについては必ずしも明確ではない。これまで一般に慣用的に用いられてきたアキネジアとは,パーキンソニズムの特徴的な運動障害,すなわちその遅鈍性,拙劣性,あるいは運動の不能等々,に対しての包括的な名称であり,必ずしも前2者におけるような明瞭に分離しうる症状ではなかった。数多くの運動障害の症状の中にあって,アキネジアと呼ばれるべき最も本質的な症状は何であるか,またその客観的な数量化は如何,について必ずしも一致した見解はなかったといってもよく,このことは現在でも充分に分析されていず,なおこの明確な定義はされていない。
そこで従来の日常診療において普通アキネジアと呼ばれている個々の症状を列挙してみよう。
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