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特集 実践科学としての看護学のための理論
第I部 一般理論
カンファレンス"科学の本質と看護"
純粋科学のパースペクティブ
Perspectives of Pure Science
Dorothy M. Crowley
1
,
高橋 直子
2
1ワシントン大学看護学部
2立教大学大学院・医療社会学
pp.223-229
発行日 1970年7月15日
Published Date 1970/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200186
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1950年に始まる激動の時代は,看護の分野にも多くの変化をもたらした。もっとも,多くの変化のゆえに激動の時代がもたらされたのではあるが…。まず看護カリキュラムの中に研究を組み込むことを強調する声が高まり,その結果,研究方法論の高度な訓練や準備を受けて学校を卒業した看護婦の数が著しく増加した。それは,実際の看護が依存している知識内容を体系的にテストし,組織化し,さらには拡大したいという関心へと高まっていったのであった。次の10年間において,看護は,研究がとるであろう方向を決定するに当たって,批判的ではあるにしても,おそらくこの分野での科学的知識の占める割合が増大するであろうという点を認めるにやぶさかではあるまい。Parsons,Kroeber,Mertonらは文化および社会体系が科学的知識の進歩に重大な役割を演じている,としている1,2)。才能のある人がいたということや,批判的なニードがあったということも,科学の急速な進歩に対して十分条件ではありえない。看護における科学的知識の発達を支えるであろう,また科学的進歩にとって好ましい知的風土を育成するであろう諸構造を発達させるという課題が,目前の諸業務のうちで最もたいせつなことなのである。
この論文は,純粋科学のパースペクティブの重要性を示そうとするものである。なぜなら純粋科学の規範こそ科学的研究のパターンを指令しているからである。
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