Japanese
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特集 平衡機能と姿勢反射
深部受容器(頸部,腰部)と関連した平衡に関する反射—頭,頸部外傷によるめまい例を中心とする分析
Studies on the role of proprioceptive reflexes of cervico-lumbo-muscular origin in maintenance of body equilibrium
檜 学
1
Manabi HINOKI
1
1徳島大学医学部耳鼻咽喉科学
1Department of Otolaryngology, School of Medicine, Tokushima University
pp.749-759
発行日 1974年8月10日
Published Date 1974/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903656
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I.はじめに
従来の報告を参照すると,平衡反射は2大別しうる。その一つは姿勢反射であり,他は運動反射である。前者は姿勢の構成やその維持に重要な関連をもつ反射であり,深部受容器がこの反射発現に大きな役割を果たすことはいうまでもない。そしてこの反射をさらに分別すると立直り反射と構え反射となる。構え反射の中には緊張性頸反射,緊張性腰反射,緊張性迷路反射があり,さらに支持反応,Babinski反射もこれに属させてよいと思う。
さてこれまでの研究史を顧みると,構え反射の大多数がヒトでは中枢神経系の疾患で明瞭に出現するゆえもあって,病的反射の名で呼ばれている。しかし,最近になってこれらの反射分析法の向上(たとえば,EMG記録とその分析法の新しい考案)とその系統的応用により,この反射群が正常人にも潜在性に存することが明らかとなっている(Tokizane et al.1951)。また,ヒトの運動姿勢の基本型としてこれらの反射が出現することも判明している(福田,1957a)。
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