特集 脳底部に異常血管網を示す疾患群をめぐつて
小児の急性反復性一過性片麻痺—特に脳底部網状血管像を呈した症例
福山 幸夫
1
,
鈴木 義之
1
,
瀬川 昌也
1
1東京大学医学部小児科
pp.757-760
発行日 1965年8月1日
Published Date 1965/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201891
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
生来健康な小児が,時に高熱,けいれんを発し,あるいはこれらを伴うことなく,突然片麻痺をきたす症例のあることは,Strümpellが1884年polioencephalitis acutaの名で報告して以来,すでに多数の研究者によつて注目されてきた。この中で特にFordら(1927)の"Acute infantile hemiplegia of obscure origin",およびGastautら(1957)の"Le syndrome des hémiconvul—sions, hémiplégies et épilepsies"の研究発表が有名である。
しかし,小児の急性片麻痺に関する研究は,とくに本邦においてはきわめて不十分なものである。本症候群の本態は,Fordらの命名にもあるとおり,大部分不明であり,おそらく数種またはそれ以上の原因が関係していると考えられる。
Copyright © 1965, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.