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シナプス後膜の機能を観察するためには,従来主として電気生理学的な方法が行なわれてきた。またシナプス後膜の生化学的処理,たとえばゲル濾過法,Affinity chromatographyなどを用いる分離精製が諸研究者(De Robertis,1971;Bosmann,1972;Reiter,1972;Eldefrawi,1972;O'Brien,1969;Changeux,1967;Schmidt,1973;Schmidt,1973;Levinson,1972)によって試みられている。このようにして得られる膜成分は,分子生物学的な検索の対象として幾多の研究成果を得るための好材料になろうとしている。
われわれは分子生物学的な考えから次のような方法を行なった。すなわち化学伝達シナプスにおいて,化学的伝達物質がシナプス後膜の受容体と結合することにより,その受容体高分子のコンホメーション変化をおこし,それがシナプス後電位を起す原因であると考えて,われわれはそのコンホメーション変化を螢光探試薬(Fluorescent Probe)を用いて,螢光分光的手法によって観察を試みて種々の知見を得た。その結果については,すでにいくつかの学会において発表(関谷・菊野:1970;1972a;1972b;1973a;1973b;1973c;1973 d)したものもあるが,未発表の資料も含めて総括的にここに記載する。
Recent researches on synaptic transmission has been developed using the electrophysiological depolarization method. They have given much potent evidence of the membrane functions related to nerve transmission. The phenomenon of electrophysiological depolarization evoked by cholinergic reagents has been ascribed to the transference of metal ions (Na+ and K+) through the synaptic membranes.
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