Japanese
English
特集 神経疾患と脂質代謝
正常神経組織の脂質代謝—コレステロールを中心として
Lipid metabolism in normal nervous tissue with special reference to cholesterol
山本 尚三
1
Shozo YAMAMOTO
1
1京都大学医学部医化学教室
1Department of Medical Chemistry, Kyoto University Faculty of Medicine
pp.475-482
発行日 1973年6月3日
Published Date 1973/6/3
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903512
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Ⅰ.脳のコレステロール分布
コレステロールは胆汁酸や種々のステロイドホルモンの前駆物質となるほかに,コレステロールそのものは種々の生体膜の脂質成分の一つとして形態学的生理学的に重要な働きをしていると考えられている。当然コレステロールは生体内に広く分布しているのであるが,表1に示すように他の臓器に比して神経系には群を抜いて高濃度に存在するのが特徴であり,したがって神経の構造と機能に重要な関係を有するものと思われる。このようなコレステロールの脳内分布をみると,種々の哺乳動物で白質の部分に灰白質の数倍の含量が認められる(表2)。
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