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特集 第8回「脳のシンポジウム」
主題:ニューロパチー研究の最近の問題
ポルフィリン症の末梢神経障害—その病因との関連において
Studies on the peripheral nerve lesions in patients with acute porphyria: Their histopathology and the metabolic disturbances
矢野 雄三
1
Yuzo YANO
1
1東京大学医学部第三内科教室
1The 3rd Department of Internal Medicine, Faculty of Medicine, Univ. of Tokyo
pp.136-143
発行日 1973年2月10日
Published Date 1973/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903481
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ヘム合成系の遺伝的障害にもとづく疾患であるPorphyriaは,さらにいくつかの病型に分類される(Table 1)が,そのうち,神経症状を呈するものとしては,Acute intermittent porphyria(A. I. P.),Variegate porphyria(V. P.),Hercditary coproporphyria(H. C. P.)の3型が知られている。これら3型は,一般にAcute porphyria(A. P.)として総称され,いずれも肝のヘム合成系に障害を有するHepatic porphyriaに属している。その3者の鑑別は,通常,尿および糞便中のポルフィリン体およびその前駆物質(Porphobilinogen-PBG,およびδ-Aminolevulinic acid-ALA)の排泄状態を分析することによってなされており,その臨床症状のみから鑑別することは困難である。
Acute Porphyriaの臨床症状は,すでによく知られているように,末梢および中枢神経症状,精神症状,腹部症状,循環器症状などからなり1,2),これらは,臨床症状としての多彩さにもかかわらず,すべて,自律神経系を含む神経組織の障害に起因するものと考えられている3)。
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