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特集 第8回「脳のシンポジウム」
主題:ニューロパチー研究の最近の問題
抗結核剤ニューロパチー,とくにエタンブトールニューロパチーとスモンの比較
Antituberculous drug neuropathy: Comparison of ethambutol neuropathy with SMON
祖父江 逸郎
1
,
安藤 一也
1
,
向山 昌邦
1
,
松岡 幸彦
1
Itsuro SOBUE
1
,
Kazuya ANDO
1
,
Masakuni MUKOYAMA
1
,
Yasuhiko MATSUOKA
1
1名古屋大学医学部第一内科
11st Dept. of Internal Medicine, Nagoya University School of Medicine
pp.106-114
発行日 1973年2月10日
Published Date 1973/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903477
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抗結核剤には,ストレプトマイシン,パラアミノサルチル酸ナトリウム(カルシウム),イソニコチン酸ヒドラジドなどの一次抗結核剤とピラジナミド,サイクロセリン,カナマイシン,エチオナミド,プロチオナミド,チオセミカルバルゾン,バイオマイシン,エタンブトール,カプレオマイシン,リファンピシンなどの二次抗結核剤といわれるものがある。これらの抗結核剤はそれぞれ異なった構造式と性状をもっているが,その副作用の一つとして神経系に対する障害を示すものが多く,注目されている。これらの抗結核剤による主な副作用を一括してみると表1に示すようなものがあげられる。神経障害としては聴力障害,視力障害などの感覚器障害,脊髄,末梢神経障害,精神障害などに大きく分けられるが,薬剤の種類によって神経障害の現われ方にはある程度の特異性がみられ,神経系の特殊な部分の障害を主とするものと,いくつかの障害が組み合わさってあらわれるものとがある。
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