Japanese
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特集 慢性進行性神経疾患・Ⅱ
遺伝
性染色体異常—XXY個体とXYY個体
On XXY and XYY individuals
浅香 昭雄
1
Akio ASAKA
1
1東京大学医学部脳研究所心理部門
1Institute of Brain Research, School of Medicine, University of Tokyo
pp.1061-1068
発行日 1972年12月10日
Published Date 1972/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903458
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ヒトの性染色体はX染色体とY染色体からなり,正常男子はXY,正常女子はXXの性染色体構成をもっている。正常男子のXYよりX染色体を1個過剰にもつのがXXY個体,Y染色体を1個過剰にもつのがXYY個体であり,両者の表現型はいずれも男性である。X染色体の数的異常は,性染色質検査を用いれば,種々の集団のスクリーニングによって発見可能である。Y染色体の数的異常の同定は,これまで血液培養した後,核型分析を行なう方法しかなかったのであるが,近年,螢光染色法の開発に伴い,F body検査を用いてスクリーニングすることが可能となった。したがってXXYおよびXYY個体は,様々の集団から容易に発見されることが期待され,とくに精神神経科領域において,これらの性染色体異常が論じられる可能性が大である。
ここでは,XXY個体とXYY個体に関するいままでの知見を概観し,とくに両者を対比しつつ,精神神経科の分野における将来の議論のための素材を提示しようと思う。
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