特集 神経病理—第12回日本神経病理学会学術研究会より
第12回日本神経病理学会学術研究会によせて
白木 博次
1
1東京大学医学部脳研究所病理部
pp.377-378
発行日 1972年6月10日
Published Date 1972/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903390
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かつて神田一橋の学士会館において,第1回目の本学会をお世話してから,すでに12年を経過いたしました。ところで,本日から3日間にわたって開催される本学会の内容またその運営の基本方針は,本質的にいって,そこに大きな変革が示されているとは考えません。なぜなら,本学会を運営してゆく場合,初めて神経病理学にふみこんでくる会員の方方に対しても,本学会は,気楽に発言し,勉強できるという,いわば教育的要素に重点をおいた場としてゆきたいし,それなしには,全国的にみて,調和のとれた神経病理学の発展は期待できないとの考え方が強かったし,それはいまでも変わりがないからであります。ただ今回の学会では,それを教育講演の形で,一層能率的に充実させてゆくための新しい試みがなされますが,もし好評であれば,今後も続けてゆきたいと考えております。一方,神経病理学は,学会の場においても,実物のスライドを,そこで即物的に検鏡しながら,問題点,数々の疑問点を相互に活発に討論しながら,一歩でも二歩でも,その前進を計るべきであるとの考え方で運営されてきたと考えますし,これも現時点でも変わりはないからでもあります。
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