Japanese
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特集 筋無力症
指定討論:自己免疫疾患患者の合併症について
Complication Revealed in the Autoimmune Diseases
土屋 雅春
1
Masaharu Tsuchiya
1
1慶応義塾大学医学部内科学教室
1Dept. of Internal Medicine, School of Medicine, Keio University
pp.824-826
発行日 1971年11月10日
Published Date 1971/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903296
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自己免疫疾患の病因をさぐるためには,どのような自己免疫疾患同士の合併例があるかを追求する必要がある。宇尾野らの報告例(Basedow病+重症筋無力症+全身性強皮症)もその意味で興味深い。われわれ1)も一つの個体に発症する自己免疫疾患の組合わせに関心をもつているが,われわれの教室でみた自己免疫疾患122例を表1に示す。35例,すなわち28.6%に他の自己免疫疾患の合併が証明されている。
ここで注意すべきは甲状腺である。表2に示した重症筋無力症(MG)時にみられるfocal chr. thyroiditis 11例(24.4%)は,すべて甲状腺生検により初めて明らかにされたもので,臨床症状で見出されたものではないからである。いわゆる,甲状腺機能検査は慢性甲状腺炎(とくにfocal type)の診断根拠とはならないことを強調しておきたい。SLEの2例,AIHA(autoimmune hemoytic anemia)の1例の場合も同様である。
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