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はじめに
一般に,われわれが静止している物体ないしは風景を見ている時,眼球はある一点から別の一点への急速な運動と静止とを繰り返している。図1に示したのはヒトがヒトの顔を見ている時の眼球運動をモニターしたものであるが,目から鼻,口への眼球運動をしている相と,そしてその点で静止して「見て」いる相とを区別することができる。この時の眼球運動は滑らかで「遅い」ものではなく,毎秒数100度(300~1200deg/sec)に及ぶ「速い」,急速眼球運動(サッケード:Saccade)と呼ばれるものである。一方で視線を動かしていない時には,ただ単にサッケードをしていないというだけではなくて,視覚の対象に興味,注意を持って,あるいはそれを認識している状態にある。本稿での「注視」はこのように,「単にサッケードが起こっていない状態」から区別する意味で用いる。
When we are looking at the stationary object, we repeat saccades from one point to another, intervened by the period of fixation. Here we address the question : is there any system which works to maintain fixation, if so, is there any interaction between that and the rapid eye movement system, which might work when we repeat switching between saccades and fixations just as when we look at the stationary object ?
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