Japanese
English
特集 シナプス Ⅰ
ラットの上丘の浅灰白層および浅白質層における神経終末の変性
Terminal Degeneration in the Stratum Griseum Superficiale and the Stratum Opticum of the Superior Colliculus of the Rat
大谷 克己
1
,
高橋 武子
1
,
白井 敏雄
1
Katsumi Otani
1
,
Takeko Takahashi
1
,
Toshio Shirai
1
1千葉大学医学部第3解剖学教室
1The Third Department of Anatomy, School of Medicine, Chiba University
pp.753-762
発行日 1970年3月25日
Published Date 1970/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903078
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
視覚性身体反射およびその他の機能に関係した上丘は,小脳および大脳皮質と同じく,いわゆる積分中枢に属するといわれ,構造上,他の部に見られない特色がある。すなわち,白質と灰白質が交互に重なり,7層からできているのである。これらの諸層のうち表面に近い帯層,浅灰白層および浅白質層には,視神経,すなわち上記の浅白質層を経由してきた網膜視蓋路が終止する2,10)。また,後頭葉,とくに広義の視覚領(Brodmannの17,18,19野)から起る後頭視蓋路も同じく浅白質層を経由したのち,ほぼ同様な場所で終わるとされている10,13)。さらに後頭視蓋路に条件刺激を与えておくと,網膜視蓋路の試験刺激によつて生ずる上丘からの誘発電位に著明な変化が起ることも知られた15)。
そこで,本研究では眼球の摘出および視覚領の破壊を行ない,それによつて生ずる網膜視蓋路および後頭視蓋路の変性神経終末を電子顕微鏡で調べ,上丘における神経終末の変性過程と結合関係をいつそう詳細にしようと思つた。
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.