特集 シナプス Ⅰ
閉会の辞
小池上 春芳
pp.765
発行日 1970年3月25日
Published Date 1970/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903080
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閉会の辞を述べよということでございますが,私も実は神経の変性の問題で病理の先生や何かからいろいろ聞かれたりして困つていろんな本を読んでみたんですが,あるいは論文など集めて調べてみたんでありますけれども,まあ病理学と解剖学では多少立場が違うのですが,変性ということになりますと今もreversibleというお話がありましたが,神経には再生像があるという人もありますし,これはまあ,神経細胞が残つていないとそうはならんわけでありますが,その外,単に反応的な変化というのもreactiveの変化もあると思うのです。そのほかdystrophicの変化というものがありまして,ビタミンが足りないとか,そういうことで起つてくるものもあるんでありますが,そういつたいろんな条件の下で起つてくる変性がお互いに関連,同じような変性があつたりしましてどういう場合にどういう変性が起るかと,どういう像が表われるかということはなかなかいわれないのでありまして非常に病理学の人々の仕事を見てみまして混乱して私も良くわからなくなつているのであります。
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