Japanese
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特集 シナプス Ⅰ
中枢神経系にみられるシナプスの実験的・電子顕微鏡的研究
Electron Microscopy of Synapses in the Central Nervous System
大塚 長康
1
,
井端 泰彦
1
Nagayasu Otsuka
1
,
Yasuhiko Ibata
1
1京都府立医科大学第1解剖学教室
1Department of Anatomy, Kyoto Prefectural University of Medicine
pp.683-693
発行日 1970年3月25日
Published Date 1970/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903070
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Ⅰ.まえがき
De RobertisとBennett(1955)6)はミミズおよびカエルのneuromuscular junctionを構成する神経終末部内にきわめて小さな球状の小胞,すなわちシナプス小胞が多数含まれていることを初めて明らかにした。このシナプス小胞はその後,多くの研究者によつて,ほとんどすべての種類の動物の中枢,末梢神経系のいずれにおいても,いわゆるシナプス構造を示すあらゆる部位にその存在が認められるようになつた。また,Whittaker(1959)44),De Robertisほか(1963)7)らによつて神経終末部の分画が分離されるようになつてから,シナプス小胞に関する細胞化学的あるいは生化学研究も急速に進歩し,シナプスにおける興奮の化学的伝達とシナプス小胞の関係がますます重要性をもつにいたつて来た。
一方,神経系の中でシナプスの部位になんらかの変化を起すと考えられる実験条件(たとえば電気刺激,薬物投与など)を動物に与えた後,シナプスの形態学的変化を電子顕微鏡的に検索した研究は少ない。
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