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特集 神経病理—第12回日本神経病理学会学術研究会より
シンポジウム—脳の発達とその障害
Ⅰ.正常脳の発達
小脳皮質の組織発生に関する電子顕微鏡的研究,とくに神経細胞とシナプスの分化について
Electron microscopic studies on the histogenesis of cerebellar cortex, especially on the differentiation of neurons and the synaptogenesis
白井 敏雄
1
Toshio SHIRAI
1
1千葉大学医学部第三解剖学教室
1Department of Anatomy, School of Medicine, Chiba University
pp.397-405
発行日 1972年6月10日
Published Date 1972/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903393
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Ⅰ.まえがき
分化した中枢神経系内に位置する神経細胞の間にはシナプスを介して結合ができている。このようなシナプス結合の作られる過程を解明するためには,単に発生の進行に伴っておこる神経細胞内の微細構造の変化を観察するだけではなく,あわせてその過程で現われるシナプス構造の分化について検索することが必要であると思われる。ところで,発生過程にある神経細胞の微細構造は電子顕微鏡を用いての観察から次第に明らかになって来た(Bellairs 1959,Caley & Maxwell 1968,Karlsson 1967,Lyser 1966,1968,Mugnaini & Forstrφnen 1967,Schwartz et al. 1968,白井 1971a,Voeller et al. 1963,Wechsler 1966,Wechsler & Meller 1967)。とくに,シナプス構造の分化に関する研究は電子顕微鏡を用いることにより初めて可能となり,すでにAghjanian & Bloom(1967),Bodian(1966,1968),Bunge et al.(1967),Glees & Rheppard(1964),Meller et al.(1968),Mugnaini(1970),白井(1971b,1972)らの報告がある。
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